慶應義塾大学 理工学部にて「情報セキュリティの重要性と実践」というテーマで1コマの講義をゲスト講師として行ってきました。この講義は昨年に続きご縁を通じて担当させていただいたもので、次世代を担う学生の皆さんに、セキュリティとプライバシー、そしてAIとの交差点を伝える貴重な機会となりました。
情報セキュリティの基本概念(CIAの3要素など)
実際のセキュリティ業務とその役割分担(技術・監視・分析・インシデント対応など)
ランサムウェア事例に学ぶ経営と倫理の判断軸
AIの進化とセキュリティの交差点(ゼロトラスト、AI脅威への対応)
SageMakerなどを題材にした「説明可能なAI(XAI)」と透明性・説明責任の国際動向
セキュリティ資格とキャリアの築き方(CISSP・CEH・登録セキスペ等)
特に今年は「AI」への関心が顕著に高まっていたのが印象的でした。
質疑応答の大半が生成AIやAIリスクに関するもので、学生たちが実際にChatGPTを使いこなし、同時に懐疑心をもって向き合っている姿が見受けられました。
一方で、セキュリティに対する捉え方は人それぞれで、次のような違いもありました:
「やり方を知っていれば防げる」と考える楽観的な視点
「現実は甘くない」と理解する実践的・慎重な視点
こうした差を踏まえ、セキュリティ教育は単なる知識の伝達ではなく、「リスクをどう受け止め、どう判断するか」という思考の形成が本質だと、改めて実感しました。
セキュリティ・プライバシー・AI倫理といった分野は、理系/文系を問わず、全ての人に関わる領域です。
この講義では、「自分には関係ない」と思っていた学生が自分事として考えはじめるきっかけを作れたように感じました。
今後もこのような実務と教育をつなぐ活動を通じて、現場とアカデミアのギャップを埋める橋渡し役を続けていきたいと思います。
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